絵本『なつびより』

絵本なつびより・7ページ目

(07)
森の中ではあちらこちらで
花やみどりが上きげんにおしゃべりしていました。
みんなより一足先にやってきた蛍火たちが
ふわりふわり踊っています。

「おや、そらにしのじゃない!」
「そんなに急いでどこへ行くの?」
そら は簡単にあいさつをして森を急ぎます。

絵本なつびより・8ページ目

(08)
昼さがりになった頃、そら は小さな沢に
辿りつきました。ここは、なゆなしの沢。
精霊たちのいこいの場です。

そら はじっと水面の色を見つめて、
そしてそっと、
マフラーを流れにひたしました。

絵本なつびより・9ページ目

(09)
木々がさわさわと音を立てて、
精霊がふわふわと歌いながら
沢の上をとんでいきました。

絵本なつびより・10ページ目その1

(10-1)

絵本なつびより・10ページ目その2

(10_2)
マフラーはだんだん水に溶けこんで、
もうすぐ見えなくなりそうです。

絵本なつびより・11ページ目

(11)
「それっ!」
そら は一気にそれを引き上げました。

絵本なつびより・12ページ目

(12)
布は夏色に輝いて、
風のように軽々と空を舞いました。

絵本なつびより・13ページ目

(13)
「ありがとう、そら!」
ゆれた夏空のしたに、しの の姿がありました。

絵本なつびより・14ページ目

(14)
「これで夏のしたくはばっちりだね!」

風になったマフラーを そら が再びまとうと、
しの は嬉しそうにその中に戻っていきました。

<Fin.>

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